全ての学会をヨコにつなぐ――医学教育学会で考えた、次の10年のDE&I
- 村田亜紀子
- 10 時間前
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コアメンバー 村田 亜紀子
2025年7月に開催された第57回医学教育学会(秋田)で、当学会ではオンデマンドシンポジウム10「全ての学会のダイバーシティ委員会をヨコにつなぐ:卒前卒後の医学部教育ジェンダーギャップを解消するアクションを起こすために」をコアメンバーで企画し、各領域の実践から「いま、何が起きていて、次に何をすべきか」を持ち寄りました。キーワードは、“見える化”と“行動する文化”、そして“ヨコ(編み目)の連携”です。
Where are we now? ―現状の可視化
まず村田より、意思決定層のジェンダー格差をデータで可視化し、課題を“感覚”ではなく“共通言語”として扱う土台を確認しました。現場の努力だけでは限界があるため、変化を積み上げるには、定点観測と評価(PDCA)を回せる仕組みが重要です。
REAL barrier against DE&I ―実装を阻む壁
山内さんからは、整形外科領域での委員会活動や理事経験を踏まえ、ポジティブアクションの推進と組織文化の変革がいかに両輪かが語られました。意思決定に関わることで前進できる一方、エフォートの負担が個人に偏りやすく、経験者によるメンタリングや支援体制の必要性が浮き彫りになりました。また、性別を限定しない相互のリーダーシップ/フォロワーシップの視点も、今後の教育設計に欠かせないことが改めて共有されました。
Empower surgeons' leadership ―技術とキャリア、仲間づくり
志鎌さんからは、産婦人科での“イクドクセミナー”の実践が紹介され、手術技能の学びとキャリア形成、仲間づくりを一体化した場が、モチベーション維持や行動変容につながることが共有されました。教育は“知識の伝達”だけでなく、持続可能に働くための支援(ウェルビーイング)と接続してこそ力を持ちます。
What’s NEXT? ―「横につなぐ」を設計する
赤嶺さんからは、DE&Iが社会課題として大きいにもかかわらず各領域で放置されがちな現実を踏まえ、「横につながることで推進力を得る」という結論に至った経緯が共有されました。学会間、診療科間、さらには医学の外・海外(特にアジア)とも結び、“孤立して頑張る”構図を変えていく——その問題意識こそが、日本リーダーシップ・ウェルビーイング医学会の設立と活動の原点であることが紹介されました。
Discussion
ここまでのプレゼンテーションを踏まえ、ディスカッションでは、「必要性があっても当事者は発信しづらい」「危機感が共有されないと上層部は動きにくい」「世代を超えて学び直しが必要」「各国・各領域で事情は異なり、実装はカスタマイズが要る」といった、コアメンバーの実感に基づく現場のリアルが交わされました。だからこそ私たちは、可視化→アクション→報告を繰り返し、成果と課題の“足跡”を学術的に残しながら、次の一手につなげていくその必要性を再認識しました。
もし、あなたが所属先や学会で「やるべきだと分かっているのに、ひとりでは進まない」と感じているなら——私たちと一緒に、ヨコ(編み目)の連携をつくって前へ進みませんか。
「自分たちの取り組みを共有したい」「他領域の実践から学びたい」「一緒に企画を立ち上げたい」——その一歩が、次の10年を変える力になります。
日本リーダーシップ・ウェルビーイング医学会は、皆さまとともに“行動する文化”を実装していく場でありたいと考えています。まずはぜひお気軽にご参加ください。





